1999年12月11日 後楽園ホール  FMW


第4試合 金村キンタロー VS アクセル・ラットゥン

「相変わらず段取りの悪い団体で済みませんねえ。でも、W★INGほどじゃ ありませんから」
 地声で飛び出した金村発言に南側の観客は大笑いで拍手。FMWがECWと 交流を行うにあたって、金村は田中と並んで適任の人材である。フォークで互 いの額を切り裂き合う金村とロットゥン。場外乱闘では南側通路でまたも飛び 出した金村の階段越えプレス! ロビーへ降りてゆく階段を上から飛び越えて 決める決死の技である。途中から両者及びウィリー高山がリング上に椅子をば らまいて、W★INGスタイル(違う?)の試合へ。冬木への鎮魂歌か地団駄 ラリアットも見せた金村は、場外の机上に寝かせたロットゥンめがけてハシゴ 上からのギロチン。これで場外3カウント。横アリと同じ決まり手。冬木の決 めたFMWルールは廃止されたものの、これはECWルールということらしい。
「僕の甥が『昔のおじさんはかっこよかったのに今は格好悪い』って言うから、 『もうパンツ履いたりしないから』って謝って。『横浜アリーナでは勝ったよ』 って電話したら、『H勝った?』って。Hファンになってしまいました。それ でも、アルシオンとか何かやってるみたいだけど、真のビジュアルファイター として頑張ります」
 ちなみに試合後に飲んだシンさん @全日者が金村べた褒めでした。

本当にフォークで流血、すごい!フィニッシュの4メートルダイブ


セミファイナル 田中将斗 VS ボールズ・マホーニー

ECWスタイルでの一戦。場外戦では、ラットゥ ンがマホーニーに荷担し、田中を苦しめる。椅子チャンバラでは、座面が抜け るほどの椅子での殴り合い。昔はよく大仁田や栗栖がやっていたけど、今のF MWでこれほど思いっきりの1発が見られるとは。リング内に 散乱した椅子めがけて田中のスウィングDDT、マホーニーに椅子を持たせてのエルボー (ヒジを座面の裏側にぶつけた田中の方が痛そうに見えた)、さらに椅子ダイ ブで飛ぶも、これはマホーニーのソバットで迎撃される。綺麗に座面が抜けて、 びっくり。
 ダイビングギロチンを自爆したマホーニーめがけて椅子ダイブで飛んだ田中 がそのまま3カウント。これで、マホーニーの眼の上が切れてしまうアクシデ ント。心配したけど、タフなマホーニーは豪快に水飲んでました。試合内容は 良かったけれど、破天荒さという部分では金村の試合の方が面白かったかな。

よけられたのが勝負の別れ目最後はECW系の3人で握手


メインイベント H、ミスター雁之助 VS 黒田哲広、大矢剛功

九州エキスプレスver2がっちりしたグラウンド

あの新生FMWスタイルが帰ってきた! 試合は とにかくスピーディー&ハードヒット。今日は何のアングルも絡めず、試合内 容だけで勝負してきたのである。試合前半を引っ張ったのはなんと大矢のヘッ ドロック。雁之助、Hをじっくり締め上げてゆく。ラリアットプロレスの権化 のような黒田にタッチして、試合が大きく動き出すかと思いきや、またもグラ ウンド。その姿勢や、良し! ロープワークの最中に早くも黒田のラリアット がHを捕らえたものの、まだねちっこい展開は続く。Hのフロントスリーパー、 アームバーなど、ちょっと珍しい。
 一転、会場の熱気が上がっていったのが黒田の定番の足攻めから。Hを捕ら え、「と、見せかけて、エルボー!」とお約束。大矢のドラゴンスクリュー、 アキレス腱固めとHの足に狙いを絞り、黒田も4の字固めでHを絞り上げる。 雁之助がカットに入ると、大矢が飛び込んで4の字固めでフォロー。大矢のこ れもまた珍しいミサイルキックがHに決まり、チャンピオンは劣勢に。Hは得 意技のフィッシャーマンバスター、タイガードライバーで反撃したものの、今 度は雁之助が捕まってしまう。大矢の急降下ニー。雁之助が反撃しようとして も瞬時に腕を決めてしまう大矢のグラウンドテクニックは恐ろしいの一言。雁 之助は雪崩式ブレーンバスターを黒田に決めようとするも、哲ちゃんカッター に切り替えされる。さらに黒田のパワーボム、大矢のバックドロップがHを追 い込んだ。
 しかし、H は掌底で流れを取り返し、ハヤブサとの差別化を特に意識していない様子でフ ァルコンアロー、ファイヤーバードスプラッシュ。雁之助とダブルでのHエッ ジ。これでも決まらず。雁之助は大矢の雁之助クラッチに冷や冷やとするも、 最後はラリアットからファイヤーサンダー。3カウントが入る。
 明日の対決を控えた黒田がすぐに帰ってしまい、リング上に残った大矢のマ イク。「こういう試合をしたかったんだよ」確かに、FMWらしい良い試合だ った。本当に見たいものを久しぶりに見たという感じ。最後はHの「お楽しみ は・・・これからだ!」と雁之助の「おい〜す!」で締め。面白かった! 冬 木がいなくなった途端、スピードアップ、アタリまできつくなり、かつてのド ライブ感が戻ってきたというか。やっぱり、いつでもFMWが一番!

Hの珍しいフロントスリーパー4の字の攻防


天気読み  WRESTLE